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天声人語 20160111 ほめ言葉という薪を焚く

2016-01-11 09:30 190 查看
イタリアものの珠玉のエッセーで知られる故・須賀敦子さんが、最初に留学した先はフランスだった。だが言葉はいっこう上達しなかったそうだ。ものを言うのがこわくて、寮の電話が鳴ると誰か出てくれないかとあたりを見回した▼それがイタリアへ行くと、2カ月で日常に不便のない程度に操れるようになった。理由の一端を

、仏では言葉をけなされ、伊ではほめられたからではないか、と回想している▼まず下宿先の家族が、須賀さんが口にする一語一語に驚き喜んでくれた。食事のとき、ひとつ新しい表現をおぼえるたびに、ブラーヴァ(うまい)と歓声があがった。「私はほんとうに自分がブラーヴァなのだろうと信じこんでしまい、イタリア語がすきになり上達が早かった」▼そんな話を、元日の紙面で読んだ「ほめる達人」の記事に思い出した。目の前の小さな価値を見つけることを大切にし、短所も前向きにとらえる。おべんちゃらとも、おだてあげとも違う、ほめ上手の達人検定が、じわりと人気なのだという▼叱って導くのも大切だろう。だが叱られてばかりだと自己肯定感は低くなりがちだ。それでなくても、なじる、けなすといったネガティブな言葉が飛び交うとげとげしい時代である▼きょうは成人の日。若い世代が「どうせ駄目」「どうせ無理」と自分を縛ってしまうようでは悲しい。須賀さんの心に明かりをともしたような、ほめ言葉という薪(まき)を惜しまず焚(た)きたいものだ。この温かさに元手はかからない。
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