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天声人語 20151210 「あかつき」に女神ほほえむ

2015-12-10 11:40 176 查看
成功にも増して、失敗を敗北としなかった強さに人はひかれる。月を目前に大事故を起こしながら、奇跡の生還をしたアポロ13号の物語は今も熱い。最後の難関が、宇宙船が火の玉に包まれる地球の大気圏突入だった▼その間は交信の途絶するブラックアウトが約4分続く。宇宙船が持ちこたえれば搭乗員3人は生還し、さもなく

ば帰らぬ人となる。地上で見守る管制官は「1分が1時間にも思われた」と証言していた。同じような緊張に、「あかつき」チームも震えたに違いない▼5年前に金星を回る軌道への投入に失敗した探査機を、今度は見事に送り込んだ。本来は姿勢制御に使う小さなエンジンを使っての離れ業だった。計算してはじいた噴射時間は20分28秒。エンジンは動き続けてくれるか、燃料はもつか。祈るような思いだったろう▼挫折に耐えて5年、細い糸のような可能性にかけ、この日この時間しかないタイミングを待っての噴射だった。最後のチャンスでもあった。送られてきた金星の初画像に、運用室では雄叫(おたけ)びがあがったという▼あかつきの設計寿命は4年半で、すでにその年限を超えている。「丁寧に探査機を作ったことが非常事態に役立った」。プロジェクトマネジャーの中村正人教授の言葉に、ものづくりの神髄をみる▼女神ビーナスの名を戴(いただ)き、太陽と月に次ぐ明るさでかがやく金星は、宵の明星、明けの明星とも呼ばれる。女神がようやく微笑(ほほえ)んでくれた。くじけなかった人たちへの、祝福のように。
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